| 世界遺産・九寨溝(きゅうさいこう)について |
| 中国に「九寨溝」と呼ばれる神秘の湖沼群がある。
四川省の最奥部、チベット高原東端の標高3000mを越える岷山山脈の山中、かつて、チベット族の集落が九つあった事に由来し「九つの集落のある谷」という意味の名が付けられた。
この地域の720平方kmが自然保護区とされている。 |
| 九寨溝には、世にも珍しい景色が広がっている。
全長50kmのY字型の渓谷の中に、118もの大小さまざまな湖が、数珠のように連なり、上の湖から下の湖へ、透きとおった水が流れ下りてゆく、森の木々の根元を浸しながら… |
| 湖底が見えるほど透明な湖は、美しい青緑色をたたえている。
湖底に沈んだ倒木は、石灰の細かい粒子に覆われ、真っ白な樹氷のような姿に変わっている。
幻想的な青と白の、水中の世界。 |
| 九寨溝の類い希なる地形は、氷河期の氷河の移動、地震、地滑りなどの地形の変化、そして、4億年前からの海と大地の営みにより作られた石灰など、さまざまな要因が重なり合って生まれた。 |
九寨溝の水がこのうえなく透明なのは、「石灰華」と呼ばれる石灰の粒子が水を濾過してくれるから。
九寨溝には、ヒマラヤやチベットなどの雪どけ水が一度地下に浸み込み、大量の石灰を含んで、再び湧き出してくるのだ。
そして、もうひとつの水の浄化作用が「水の流れる森」であること。
九寨溝の湖では、石灰華の中に根をはることにより、流れる水の中でも奇跡的に森が育まれた。
樹齢300年の檜の根元さえも、清流が走っている。 |
| 水と森が生んだ奇跡・九寨溝は、1992年、ユネスコ世界遺産に登録された。 |